サッカー戦術本 レビュー

サッカーの戦術に関する本を紹介!

《戦術本》サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

数字は、習慣や常識に疑問を投げかけ、古いしきたりや頑迷な信念のもととなる過ちをも破る。数字は私たちに、サッカーをまったく新たな視点で見る方法を教えてくれる。』 

 

著者:クリス・アンダーセン/デイビッド・サリー
訳者:児島修

 

 


この本は、内容がとても濃いです。サッカー観戦初心者の方にはお勧めしません。また、ヨーロッパサッカーを見ないという方も読み進めるのが難しいでしょう。ですが、ヨーロッパサッカーをよく見ていて、サッカーの知識をより深めたいという方はぜひこの本を買って読んでみてください。サッカーの見方が変わること間違いなしです。

 

 

データや統計などの数字を使って、分析する内容になっていますから何より説得力があります。私たちがこれまでいかに曖昧にサッカーを解釈してきたのかが思い知らされます。一般的に、イタリアのサッカーの特徴と聞けば、守備的だと言い、体を張ったスライディングタックルを見れば、闘志あふれるプレーであると称賛します。

 

 

しかし、この本の分析を見ればこれが正しくないということが分かります。しかも、数字を使った論理的な説明なので、とても納得がいきます。自分が知っていたこれまでの知識と相容れない事実が目の前に、ドント突きつけられる感じです。

 

 

思えば、サッカーには数字を使って試合を見るという慣習があまりありませんよね。サッカー解説を聞いていても、その解説者の主観に基づいた、曖昧なことばかりです。試合の中で数字を用いるといっても、得点、ポゼッション、シュート数、走行距離くらいでしょうか。仮に野球と比較してみるとその差がはっきりしてくるかと思います。野球の場合は、球速や防御率はもちろん、球種の割合や対左打者の被安打率など、こと細かくデータを使っています。サッカーはフィールド上の22人もの選手が常に流動的に動き続けていて、データを使って分析をするのは容易なことではないでしょう。ですが、そこをあえて科学的な方法で踏み込んだ、これまでにない内容の一冊と言えるでしょう。

 

 


さて、サブタイトルに、ロングボールは時代遅れかという興味深いものがついています。ここ数年のバルセロナのパスサッカーによるポゼッション主義の風潮の中で、ロングボールを前線の選手目掛けて蹴り込んでいくというスタイルは減少傾向にあります。

 

 

そこで、この本ではプレミアリーグで独特の戦術を使い、一部リーグに定着しているストークを取り上げています。なぜストークは争いの激しいプレミアリーグで好成績を収められているのでしょうか。ロングボール戦術の良い点はどこにあるのでしょうか。この本を読んだ後には、本当にロングボールは時代遅れかが理解できていることと思います。

 

 


これからの時代の流れとしては、サッカー界にもデータ分析の波が押し寄せてくると思います。この本は、あなたのサッカー観戦の知識を何歩も先に導いてくれるでしょう。おススメの一冊です。

 

 

 
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