《戦術本》サッカー 新しい守備の教科書
『スペイン、ドイツ、イタリアといった世界トップランクの国にワールドカップで勝ちたいのであれば、守備から目をそらして結果を出すことはできません。』
著者:坪井健太郎 構成:小沢一郎
著者の坪井健太郎さんは、スペインの育成年代の指導をしている方のようです。その方が、日本との比較を交えながら、スペインサッカーについて語ってくれています。例によって、スペインサッカーなので、バルセロナやアトレティコ・マドリードといったチームが頻繁に出てきます。リーガエスパニョーラが好きな方は必読の一冊でしょう。
突然ですが、質問です。相手がサイドでボールを持っている状況を想像してください。その相手とマッチアップしている自チームのサイドバックが突破されてしまいました。そこで、センターバックがサイドへ出て、その相手に対応しに行きます。センターバックが中央を開けてしまったので、突破されたサイドバックがそのスペースを埋めるため中央に向かいます。さて、ではこのサイドバックの中央を埋めた動きを何というでしょうか?
分かりましたか?答え合わせしますが、呼び名がない、が正解です。問題としては、かなりずるいものになってしまいました。ごめんなさい。
ですが、日本のサッカー界にはこの動きを指す言葉がまだないというのが、ここでの重要なポイントで、戦術大国のスペインにはきちんと呼び名があるそうです。ペルムータと言うそうですが、このあたりに、日本と世界のサッカー大国との成熟度の差を感じてしまいます。こういう言葉があるのとないのとでは、大きく違ってきますよね。スペインでは重要と捉えられ意識できる動きも、日本では意識できずにぼやけてしまいます。そんな差が、今の日本と世界との差なのかなと思ってしまいます。
ここでは、簡単な一例をお出ししましたが、他の動きについてもスペインでは、言語化されているものがあるそうです。また、そういう動きの一つ一つが育成年代から叩き込まれているわけですね。過去に日本人はスペインでは活躍できていませんが、こういった守備の基本がプロのレベルでも出来ていないから、活躍できないということもあるのでしょうかね。守備は基本ですし、現代サッカーにおいて守備をしなくてもよいのはメッシとクリスティアーノ・ロナウドぐらいでしょうか。
筆者の坪井さんが、日本の育成年代のサッカーを見ると、まだまだ戦術や守備に物足りなさを感じてしまうようです。アンダー世代のワールドカップでは結果が出ず、国際経験が積めないという世代もありますから、育成に力を入れて日本が世界と対等以上に戦えるようになることを期待したいです。
サッカー新しい守備の教科書 [ 坪井健太郎 ] |
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